第6話 時雨 芦野信司(絵も)

    だりあは2階にある自分の部屋の窓から道を挟んで斜向かいにある界の家を見ていた。夜の7時なのに玄関に明かり点かない日がここ数日続いている。ちょっと前までは7時になれば必ず灯っていた。その家がまっ暗なままなのだ。  界が夕方のレストランのバイトが決まったと言っていた。界のお父さんの帰りもこのごろ不規則のようなので、夕食の当番制が崩れてしまったのだろうなと、だりあは思った。  それに…

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